新柳の教え

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属人化はしていい

組織に中でよく出る話題に属人化があります。

特定のスキルや役割を1人の人だけが持っていて、その人がいなくなったら仕事が回らなくなる状態を言います。

 

だから一般的には属人化を排除しましょう、という話になります。

 

私も今までいろんな場面で属人化の排除を提唱してきました。

だけどなかなかうまくいきません。

 

今回は属人化について考えていきます。

 

属人化はなぜ生まれるのでしょうか?

例えば、会社の中で誰もやったことがない仕事があったとします。

そしてその仕事は誰かがやることになります。(この人をAさんとします。)

Aさんはこの仕事に取り組むために事前に勉強して、試行錯誤を繰り返しながらやっとの思いで仕事を完遂しました。

そしてまたこの仕事が発生した時に、またAさんに仕事の依頼がいきます。

Aさんはこの仕事について多くの経験を積んで、どんどんその仕事が上手になり誰も追いつけなくなります。

これで属人化が完成します。

 

Aさんが覚えた仕事を他の人に教えて、次に同じ仕事が発生した時に一緒に仕事をしたりすれば属人化を防ぐことができますがなかなかこれができません。

なぜかというと、仕事を頼む人はAさんに頼めば安心で他の人に頼みたくないのです。

また、Aさん以外の人がその仕事をすると生産性が確実に落ちます。

そうすると利益率も低下します。

企業の活動では利益率の低下に繋がる行為は良くないことというのが常識ですので、これも避けようとします。

さらに、Aさんは自分が苦労して手に入れたスキルで自分の仕事を確保できているので、それを人に教えるのが嫌という感情も出てきます。

 

このような事情から、どこの社会でも属人化が解消しにくい状況が発生していると考えられます。

 

属人化の解消は難しいですが、もし属人化が解消したらどうなると思いますか?

 

属人化をなくす先には標準化があります。

標準化は仕事におけるルールを整理したり、手順を明確にしたりして誰がやっても同じ成果が得られることを究極の目標としています。

企業にとっては、従業員が標準化されたマニュアルに則って画一的な仕事をしてくれれば管理がしやすいです。

 

ただ、今の時代に標準化したものはAIにやらせるべきで、人間に適用すべきものではないです。

標準化を目指すと誰でも代わりがきくことになり、企業にとってはプラスに作用する場面もありますが個人にとっては全く面白くないことになります。

 

だから属人化はしていいと思っています。

企業は人なりと言うように企業はそこに居る人で価値が決まります。

だから人が変わったら当然価値も変動し、事業内容だって変化します。

 

これは1人1人が唯一無二の存在であり、それぞれの人たちが個性を発揮してくれることで企業に貢献していることを意味しています。

 

ソフトバンクと言えば孫正義さん、テスラモーターズならイーロン・マスクさんが経営者です。

こういう著名な経営者は完全に属人化していて、代わりが効くわけがありません。

経営者が交代したら別の企業になったと思った方がいいぐらいだと思います。

 

これからの時代、従業員であってもみんなと同じことができることを目指すのではく、個性を活かしていくべきです。

企業の統治のあり方も、ダイバーシティを受け入れ1人1人の個性が輝くように変えていくと世の中がもっと良くなるのではいかと思っています。